2016年2月10日水曜日

非効果的なリーダーシップ

CLS Japan本部 網あづさ

スタイルがレディネスに適合していても非効果的なリーダーシップになってしまうことがあります。
  • 効果的なリーダーシップの場合は促進的言動(行動と言葉)
  • 非効果的なリーダーシップの場合は障害的言動
リーダーシップの効果性には、リーダーの行動だけではなく、フォロアーやメンバーたちの行動も大きな影響を与えます。もう一度、リーダーシップ機能を思い出してください。リーダーシップは、ある人がある人に「こうしてもらいたい」と思って、「意図した行動」をとることであり、なんらかの目標を達成しようとする働きかけです。メンバーのだれもがそういった意図する行動をとっています。どのメンバーも個人的な思惑や主張を持っており、それが促進的にも障害的にもなります。

促進的言動と障害的言動の例
  • S1で促進的言動の場合は「教示的スタイル」、障害的言動の場合は、「攻撃的スタイル
自分の優位性を主張、他人を排除する。批判的発言、怒鳴る、「こうさせているのはお前だよ」、失敗をなすりつける、責める、一方的で攻撃的。
  • S2で促進的行動の場合は「説得的スタイル」、障害的言動の場合は「操作的スタイル
自分に都合のいい解釈、他人の意見を聞かない。他人のあら探し、ケチをつける、詰問する、追い詰める、罠に引っかかるのを待ち構えて捕まえる。
  • S3で促進的行動の場合は「参加的スタイル」、障害的言動の場合は「依存的スタイル
同情を買おうとするが、改善努力はしない。うわべは前向きな関心を示しながら、否定的意見を述べる、誇張されたハンディを使って「本当はやりたいんだができない」と弁解する。
  • S4で促進的行動の場合は「委任的スタイル」、障害的言動の場合は「回避的スタイル
チーム活動を心理的にも物理的にも避ける。忙しく振る舞う、追い出されるように芝居をする。
以上の障害的言動は、チーム活動に悪影響を及ぼします。フォロアーの成長や効果性を前提とする促進的言動ではなく、自分の利益を優先させ、自分を守るためにリーダーシップをとる場合、スタイルが適合していても(指示的行動や協労的行動の組み合わせが適合していても)、リーダー行動は障害的になります。

レディネスが低いチームで、メンバーが自分の優位性を主張し、他メンバーを排除するような「攻撃的」な行動をとったとします。その場合、もともとチームレディネスが低いチームはいっそうバラバラになるか、バラバラなままでチーム活動は阻害されます。

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同じように、チームレディネスが低いチームで、メンバーが自分に都合のいい解釈、他人の意見を聞かない、他人のあら探し、ケチをつける、詰問する、追い詰める、罠に引っかかるのを待ち構えて捕まえる、などのような自分にとって有利な状況を作るために「操作的」行動をとったとします。この場合も同様に、メンバー間の葛藤や対立は悪化するばかりで、チーム活動は阻害されます。

メンバーの障害的言動は、チームレディネスが高くても起こりえます。たとえば、あるメンバーが、同情を買おうと、うわべは前向きな関心を示しながら、「本当はやりたいんだができない」と弁解し、できない理由や否定的意見を述べたてるとします。このように、自分は貢献せず他メンバーの活動に「依存的」な行動をとるメンバーがいたら、他メンバーのやる気もそがれチーム活動は阻害されます。

また、やたら忙しく振る舞う、チーム活動から距離を置くよう芝居をする、というような「回避的」言動も、他メンバーの士気に悪影響を及ぼし、チーム活動を阻害します。

参考文献

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